オンライン授業で映画やドラマの一場面を見せたい、でも著作権が心配…そんな悩みを解決する制度があります。
この記事を読むことで、授業目的公衆送信補償金制度の仕組みがわかり、安心してオンライン教育を展開できるようになります。
著作権法改正とオンライン授業の課題
2020年の著作権法改正により、教育現場でのデジタル化が急速に進みました。
しかし、オンライン授業で著作物を使用する際には、著作権者の許可が必要という課題がありました。
従来の教室での授業では、著作権法35条により教材の複製が認められていたものの、オンライン配信となると話は別。
教員たちは「生徒に見せたい資料があっても、著作権処理に時間がかかる」という問題に直面していたのです。
この課題を解決するために誕生したのが、授業目的公衆送信補償金制度なのです。
SARTRAS制度の基本的な仕組み
SARTRAS(サルトラス)とは、正式名称を「一般社団法人授業目的公衆送信補償金等管理協会」といい、文化庁の認可を受けた管理団体です。
この制度の最大の特徴は、事前許可なしで著作物をオンライン授業で使用できるという点。
教育機関が年間の補償金を支払うことで、映画・ドラマ・音楽・新聞記事など、幅広い著作物の使用が許諾される仕組みになっています。
つまり、いちいち著作権者に許可を取る手間が省けるわけです。

補償金の計算方法と対象となる著作物
補償金の額は、学校の規模(学生数)に基づいて計算される仕組みです。
小規模な学校ほど負担額は少なく、大規模校ほど高くなります。
2024年現在、年間の補償金は学生100人あたり数千円程度の設定。
対象となる著作物は、映画・テレビ番組・音楽・書籍・新聞・雑誌など、ほぼすべての著作物に及びます。
ただし、営利目的の配信や、著作物全体の配信は除外されるため注意が必要。
あくまで「教育目的の補助的使用」というルールを守る必要があります。
SARTRAS加入による教員のメリット
SARTRAS制度に加入することで、教員は著作権処理の時間的負担から解放されるという最大のメリットを得ます。
従来は、映画の一場面を授業で使いたい場合、製作会社に許可を取るまで数週間待つ必要がありました。
しかしこの制度により即座に使用が可能になったのです。
さらに、法的リスクの軽減も大きなメリット。
補償金を支払っている限り、著作権侵害の責任を問われることはありません。
オンライン授業の質が向上し、生徒の学習意欲も高まります。
SARTRAS加入時の注意点と今後の展望
加入前に理解すべき注意点として、補償金は毎年支払い続ける必要があるということがあります。
一度の支払いで永久に使用できるわけではありません。
また、使用報告義務が発生する場合もあります。
今後の展望として、文化庁はさらに多くの教育機関のSARTRAS加入を推進する方針を示しており、補償金の額や対象範囲も段階的に拡大される見込みです。
デジタル教育が当たり前になる時代、この制度の理解は教員にとって必須の知識となるでしょう。
💼 現場還元
教室でこの制度を説明する際は、『著作権を守りながら、教育を充実させるための仕組み』という視点を強調してください。
生徒に対しては、『著作物を使う側にも、作る側にも配慮した仕組みがある』と伝えることで、著作権への理解が深まります。
同僚の教員には、SARTRAS加入により『映画・ドラマ・音楽を授業で活用できるようになった』という具体的なメリットを示すと、制度の導入が進みやすくなります。
🎯 実戦クイズ
Q1. 授業目的公衆送信補償金を管理する団体の略称は?
正解: SARTRAS(一般社団法人授業目的公衆送信補償金等管理協会)
解説: 文化庁認可の管理団体で、教育機関が補償金を支払うことで著作物の使用を許諾します。
Q2. SARTRAS制度で補償金の額を決める主な基準は?
正解: 学生数(学校規模)
解説: 学生100人あたりの単価で補償金が計算され、規模が大きいほど負担額が増えます。
Q3. SARTRAS加入でも禁止される著作物の使い方は?
正解: 営利目的の配信・著作物全体の配信
解説: 補償金制度は教育目的の補助的使用を想定しており、営利目的や全体配信は除外されます。
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