2020年の著作権法改正により、教育現場のオンライン授業が大きく変わりました。
これまで複雑だった著作物の利用ルールが整備され、補償金制度が導入されたのです。
この記事を読むことで、改正内容と実務的な対応方法がわかり、安心してオンライン授業を実施できるようになります。
著作権法35条とは何か
著作権法35条は、教育機関での著作物利用を規定する条文です。
従来は対面授業のみが対象でしたが、2020年の改正によりオンライン授業(遠隔授業)も対象に含まれました。
この改正は「デジタル化への対応」と「教育現場の実情」のバランスを取ったもので、教員の負担軽減と著作権者の権利保護の両立を目指しています。
改正前は、オンライン授業で著作物を使用する場合、個別に著作権者から許可を得る必要がありました。
しかし改正後は、補償金を支払うことで許可なく利用できるようになったのです。
この変化は教育現場にとって大きな前進であり、オンライン教育の推進に貢献しています。
補償金制度の仕組みと管理団体SARTRAS
授業目的公衆送信補償金制度は、著作物をオンライン授業で使用する際に補償金を支払う仕組みです。
この制度を管理する団体がSARTRAS(サルトラス)で、正式名称は「一般社団法人授業目的公衆送信補償金等管理協会」です。
SARTRASは著作権者と教育機関の仲介役を担い、補償金の徴収・分配を行っています。
学校は年度ごとにSARTRASに補償金を支払い、その見返りとして教科書や参考書、新聞、映像作品など多くの著作物を自由に利用できるようになります。
補償金額は学校の規模(生徒数)に応じて決定され、小規模校ほど負担が少なく設定されています。
個別許諾の手続きが不要になることで、教員の事務作業が大幅に削減されるメリットがあります。

改正による教育現場の変化
著作権法35条の改正により、教育現場では著作物利用の手続きが簡素化されました。
従来は「この映像を授業で使いたい」となると、著作権者に個別に許可申請をする必要がありました。
しかし改正後は、SARTRASに補償金を支払っていれば許可申請なしで利用可能です。
ただし利用に際しては「学校教育の目的」という限定があり、営利目的での利用は対象外です。
また、授業の過程で必要な範囲内での利用に限られており、著作物全体をコピーして配布するなどの行為は制限されています。
改正は2020年4月に施行され、現在では多くの学校がSARTRASに登録し、制度を活用しています。
この制度により、教員はより質の高い教材を効率的に活用できるようになり、学習効果の向上につながっています。
学校が取るべき実務的対応
学校がオンライン授業を実施する際は、まずSARTRASへの登録確認が重要です。
既に登録済みであれば、補償金が支払われているため、教科書や映像作品などを自由に利用できます。
未登録の場合は、学校管理者がSARTRASの公式サイトで登録手続きを行う必要があります。
登録後は、教員が授業で著作物を利用する際に、利用内容の記録を簡潔に残すことが推奨されています。
これは著作権者への透明性確保と、トラブル防止のためです。
また、オンライン授業の配信方法(ライブ配信か録画配信か)によって、利用可能な著作物が異なる場合もあるため、学校の著作権管理規定を事前に整備することが大切です。
教員研修で改正内容を周知することで、現場での混乱を防ぐことができます。
💼 現場還元
学級経営や授業で、この知識をどう語るか。
教員向けには「SARTRASへの登録で、著作権の心配なくオンライン授業が実施できる」と説明し、手続きの簡潔さを強調します。
生徒向けには「著作権者の権利を守りながら、学びの質を高める仕組みが整っている」と伝え、著作権への理解を深めるきっかけにします。
校内研修では、具体的な利用例(新聞記事の画面共有、教育映像の配信など)を示すことで、実務的な活用イメージを共有できます。
🎯 実戦クイズ
Q1. 著作権法35条改正で設立された補償金管理団体の略称は?
正解: SARTRAS(サルトラス/一般社団法人授業目的公衆送信補償金等管理協会)
解説: 2020年の改正で導入された授業目的公衆送信補償金制度を管理する団体。学校の補償金徴収と著作権者への分配を担当します。
Q2. 改正により対象に加わったオンライン授業の正式な呼称は?
正解: 公衆送信(こうえんそうしん)
解説: 著作権法35条改正で、対面授業に加えて『公衆送信』(インターネット経由の配信授業)が著作物利用の対象に含まれました。
Q3. 補償金支払いで利用できる著作物の利用目的の限定は?
正解: 学校教育の目的(営利目的は除外)
解説: 補償金制度は『学校教育の目的』に限定され、営利目的や商用利用は対象外。授業に必要な範囲内での利用が原則です。
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