教員は民間企業の労働者とは異なり、ストライキなどの争議行為が法律で禁止されています。
この記事を読むことで、争議行為の禁止の根拠となる法律と具体的な罰則が理解でき、教職試験対策に役立ちます。
争議行為とは何か
争議行為とは、労働者が労働条件の改善を求めて行うストライキやボイコット、怠業などの集団的行動を指します。
民間企業の労働者には労働組合法によってこうした行動の権利が保障されていますが、公務員である教員には異なるルールが適用されるのです。
教員が争議行為を行うことは、児童生徒の教育を受ける権利を侵害し、学校運営に大きな支障をきたすため、法律で厳しく制限されています。
この制限は教育の継続性と安定性を守るための重要な規定であり、公務員試験でも頻出の論点となっています。
争議行為禁止の根拠法
地方公務員法第37条は、地方公務員(教員を含む)の争議行為を禁止する最も重要な法律です。
この条文では「職員は、争議行為をしてはならない」と明確に規定されており、教員が労働条件改善のためにストライキを行うことは違法行為となります。
さらに、国家公務員法第110条でも同様に国家公務員の争議行為が禁止されています。
これらの法律は、公共の利益と教育の継続性を最優先に考えるという行政法の基本原則に基づいており、民間労働者の権利とは明確に区別されています。

争議行為禁止違反の罰則
争議行為を行った教員には、懲役または罰金という刑事罰が科せられます。
具体的には、地方公務員法第37条違反の場合、3年以下の懲役または100万円以下の罰金に処せられる可能性があります。
さらに注目すべきは、争議行為を企てたり、その実行をそそのかした者も同等の罰則対象となることです。
つまり、ストライキを指導した労働組合幹部や、参加を呼びかけた者も、実際に行動に参加しなくても罰せられるという点が重要です。
この厳しい罰則は、公務員の争議行為がいかに重大な違反行為と見なされているかを示しています。
教員の労働条件改善の手段
では教員は労働条件改善をどのように実現するのでしょうか。
地方公務員法第52条では、教員を含む地方公務員に「労働基本権」が制限されている代わりに、「人事委員会」による救済制度が設けられています。
教員は人事委員会に不服申し立てを行い、労働条件の改善を求めることができるのです。
また、給与や勤務条件は法律で統一的に定められているため、個別企業との交渉ではなく、立法府での議論を通じて改善が図られる仕組みになっています。
このように、争議行為の禁止と引き換えに、別の救済手段が用意されているのです。
試験出題における重要ポイント
教職試験や公務員試験では、この争議行為禁止に関して以下の点が頻出です。
第一に、根拠法となる地方公務員法第37条と国家公務員法第110条の条文番号、第二に、罰則が懲役3年以下または罰金100万円以下であること、第三に、企て・そそのかし行為も罰則対象となることです。
「なぜ教員に争議行為が禁止されるのか」という理由(教育の継続性と公共の利益)も合わせて理解することで、単なる暗記ではなく論述問題にも対応できるようになります。
過去問では「地方公務員の争議行為禁止の根拠法を述べよ」という形式の問題が出題されています。
💼 現場還元
学級経営で生徒に説明する際は、『教員のストライキが禁止されているのは、皆さんの教育を受ける権利を守るためだ』と伝えましょう。
また、『公務員には争議行為の禁止という制限がある代わりに、人事委員会という救済制度がある』という対比を示すことで、法律が単に制限するだけでなく、別の形で権利を保障していることを理解させられます。
教職試験対策では、根拠法と罰則の具体的数字を確実に暗記し、『なぜこのような規定があるのか』という背景理由も説明できるようにすることが得点につながります。
🎯 実戦クイズ
Q1. 地方公務員の争議行為禁止を定めた法律は?
正解: 地方公務員法第37条
解説: 地方公務員法第37条が地方公務員(教員を含む)の争議行為を禁止する根拠法です。同様に国家公務員法第110条でも国家公務員の争議行為が禁止されています。
Q2. 争議行為企て・そそのかし者の最長懲役は?
正解: 3年以下の懲役
解説: 地方公務員法第37条違反で、争議行為を企てたり実行をそそのかした者は、3年以下の懲役または100万円以下の罰金に処せられます。実行者と同等の罰則です。
Q3. 公務員の争議行為禁止の代替救済制度は?
正解: 人事委員会
解説: 地方公務員法第52条により、争議行為が禁止される代わりに、人事委員会への不服申し立てによる救済制度が設けられています。労働条件改善はこの制度を通じて図られます。
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