教育現場で頻出する「触法少年」と「虞犯少年」。
この2つの言葉は少年法で定義される重要な概念ですが、多くの教員志望者が混同しています。
この記事を読むことで、年齢による区分と法的対応の違いがわかり、教採試験や生徒指導の現場で即座に判断できるようになります。
少年法における3つの分類体系
少年法は児童生徒の問題行動を年齢と行為内容で厳密に分類します。
少年法第3条では、家庭裁判所の調査対象となる「少年」を定義しており、その中でも触法少年と虞犯少年は全く異なるカテゴリーです。
触法少年は刑法犯を犯した少年、虞犯少年は犯罪を犯していないものの将来犯罪に陥る可能性がある少年を指します。
この区別は家庭裁判所の審判内容や保護処分の種類に直結するため、教育現場での対応も変わります。
さらに、14歳という年齢が分岐点になることで、法的責任の重さが大きく異なるのです。
触法少年の定義と法的位置づけ
触法少年とは、刑法犯に該当する行為を行った14歳未満の少年を指します。
刑法第41条により、14歳未満の者は刑事責任能力がないと定められているため、刑事訴追されることはありません。
しかし行為自体は犯罪に該当するため、家庭裁判所に送致されて保護処分の対象となります。
例えば、13歳が他人の自転車を盗んだ場合、これは窃盗罪に該当する行為ですが、本人は刑事責任を問われず、家庭裁判所で調査・審判を受けることになります。
触法少年の処遇は児童養護施設への入所や児童自立支援施設への入所など、教育的支援が中心となるのです。

虞犯少年の定義と予防的対応
虞犯少年とは、犯罪を犯していないが、その性格や生活状況から将来犯罪に陥る可能性がある少年を指します。
少年法第3条第1項第3号で定義され、刑法犯を行っていない点が触法少年との最大の違いです。
具体例としては、不登校や家出を繰り返す、深夜徘徊、不良グループとの交遊など、「社会的に好ましくない状態」が該当します。
虞犯少年も家庭裁判所の調査対象となりますが、あくまで予防的・教育的な観点から支援されるため、処遇の性質が異なります。
年齢に上限はなく、20歳未満であれば虞犯少年として扱われる可能性があります。
14歳が分岐点になる理由
14歳という年齢は、刑事責任能力の有無を分ける法的な転換点です。
14歳未満の触法少年は刑事責任を問われませんが、14歳以上20歳未満の少年が刑法犯を行った場合は刑事処分の対象になる可能性があります。
ただし、家庭裁判所の判断により保護処分に付される場合も多いため、完全に成人と同じ扱いではありません。
教育現場では、この14歳という区切りを意識することで、生徒指導の方針や外部機関への報告義務が変わることを理解しておく必要があります。
虞犯少年は年齢に関係なく対象となるため、14歳未満でも深刻な問題行動がある場合は家庭裁判所への通告を検討する必要があるのです。
教育現場での対応と報告義務
教員が触法少年や虞犯少年の疑いを認識した場合、学校は家庭裁判所や児童相談所への報告義務を負う場合があります。
児童福祉法第25条により、児童虐待やネグレクトの疑いがある場合は通告義務が生じ、虞犯少年として扱われる可能性があります。
触法少年の場合、刑法犯に該当する行為が学校内で発生した場合、学校は警察や家庭裁判所への報告を検討する必要があります。
生徒指導の初期段階では、本人や保護者との面談を通じて背景にある問題を把握し、学校内での支援と外部機関の連携を適切に判断することが重要です。
💼 現場還元
学級経営や生徒指導の場で、保護者や同僚から「この生徒は触法少年ですか?」と聞かれることがあります。
その際は、「触法少年は14歳未満で刑法犯に該当する行為をした場合、虞犯少年は犯罪行為がなくても将来的リスクがある場合に家庭裁判所が判断します。
学校としては、その判断を待たずに児童相談所や家庭裁判所に通告・相談することが大切です」と説明しましょう。
この区別を正確に理解することで、教採試験での得点向上だけでなく、実際の生徒指導場面での判断力も高まります。
🎯 実戦クイズ
Q1. 14歳未満で刑法犯を行った少年を何という?
正解: 触法少年
解説: 刑法第41条により14歳未満は刑事責任能力がないため、刑法犯を行っても触法少年として家庭裁判所の調査対象となります。
Q2. 犯罪を犯していないが将来犯罪に陥る可能性がある少年は?
正解: 虞犯少年
解説: 少年法第3条第1項第3号で定義され、不登校や家出など社会的に好ましくない状態から犯罪に陥る可能性がある少年を指します。
Q3. 触法少年と虞犯少年の最大の違いは何か?
正解: 犯罪行為の有無
解説: 触法少年は刑法犯に該当する行為を実行した少年、虞犯少年は犯罪行為を行っていないが将来的リスクがある少年という根本的な違いがあります。
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