教員採用試験や学校現場で頻出の「少年法」。
触法少年とぐ犯少年は何が違うのか、混同している人は多いはず。
この記事を読むことで、少年法における3つの少年区分が明確になり、生徒指導の実務に役立ちます。
少年法が対象とする年齢の基準
少年法における「少年」の定義は、20歳未満の者と法律で明記されています。
2022年4月の民法改正により成人年齢が18歳に引き下げられましたが、少年法では依然として20歳未満が対象です。
この年齢基準は、触法少年・ぐ犯少年・犯罪少年のすべてに共通する重要なポイントです。
学校現場では、生徒が20歳になるまでは少年法の保護対象となることを念頭に置いて指導する必要があります。
特に高等学校3年生の生徒が卒業後に問題行動を起こした場合でも、20歳未満であれば少年法が適用される点は、教員が理解しておくべき実務知識です。
触法少年とは何か
触法少年とは、14歳未満で刑法に触れる行為をした少年のことです。
刑事責任能力がないとされる14歳未満の子どもが、万引き・暴行・器物損壊など犯罪に該当する行為を行った場合、その少年を「触法少年」と呼びます。
重要なのは、刑事事件として扱われないという点です。
警察に補導される場合もありますが、検察送致や家庭裁判所への送致を経て、児童相談所での対応が中心となります。
学校現場では、14歳未満の生徒が重大な問題行動を起こした場合、警察との連携よりも児童相談所との連携を優先する必要があります。

ぐ犯少年の定義と特徴
ぐ犯少年は、14歳以上20歳未満で、犯罪を起こす可能性が高い少年を指します。
「ぐ犯」とは「虞犯」と書き、「虞」は「おそれ」という意味です。
つまり、実際に犯罪を起こしていなくても、その恐れがある行為をしている少年が該当します。
具体例としては、深夜徘徊・不良交友・家出・喫煙・飲酒などが挙げられます。
犯罪行為そのものではなく、その前段階の行為が問題となる点が、触法少年やぐ犯少年との大きな違いです。
家庭裁判所へ送致され、調査・審判を経て保護処分が決定されます。
学校現場での「指導対象」として最も多く関わることになる少年区分です。
犯罪少年との区別
犯罪少年とは、14歳以上20歳未満で、刑法に違反する行為をした少年です。
ぐ犯少年との決定的な違いは、「実際に犯罪行為を完成させた」という点です。
窃盗罪・傷害罪・強盗罪など、具体的な犯罪を起こした少年が該当します。
犯罪少年も刑事責任は問われず(14~16歳)、家庭裁判所での審判となりますが、より重大な処分が下される可能性があります。
教員は、触法少年(14歳未満・犯罪行為)→ぐ犯少年(14歳以上・犯罪の恐れ)→犯罪少年(14歳以上・犯罪行為)という3段階の区分を正確に理解し、それぞれの対応機関を把握することが重要です。
学校現場での実践的対応
学校現場では、生徒の問題行動がどの少年区分に該当するか判断する能力が求められます。
14歳未満で万引きを起こした場合は触法少年として児童相談所へ、14歳以上で深夜徘徊が続く場合はぐ犯少年として警察や児童相談所へ、実際に傷害事件を起こした場合は犯罪少年として警察や検察へ、というように対応機関が異なります。
管理職や生徒指導主任への報告・相談を通じて、適切な外部機関との連携を図ることが教員の職務です。
また、少年法の趣旨は「保護」と「更生」にあることを忘れず、生徒の人権を尊重しながら指導することが求められます。
💼 現場還元
学級担任が保護者面談で「お子さんは少年法で保護されます」と説明する際、この3つの区分を正確に伝えることで、保護者の不安を軽減できます。
特に、犯罪少年でも刑事責任を問われない点(14~16歳)は、保護者が誤解しやすい部分です。
また、生徒指導会議で「このケースはぐ犯少年か犯罪少年か」と議論になった場合、行為の「実行性」に着目することで判断がしやすくなります。
少年法の保護的機能を強調しながら、生徒の更生可能性を信じた指導姿勢を貫くことが、教員としての専門性を示します。
🎯 実戦クイズ
Q1. 少年法が対象とする年齢は何歳未満か
正解: 20歳未満
解説: 少年法は2022年の民法改正後も、成人年齢18歳ではなく20歳未満を対象としています。
Q2. 14歳未満で犯罪行為をした少年の呼び方は
正解: 触法少年
解説: 刑事責任能力がない14歳未満で犯罪に該当する行為をした少年。児童相談所が対応の中心となります。
Q3. 犯罪を起こす恐れがある14歳以上の少年を何という
正解: ぐ犯少年(虞犯少年)
解説: 実際の犯罪行為ではなく、深夜徘徊・喫煙・飲酒など、犯罪の前段階の行為が対象です。
Q4. 14歳以上で実際に刑法違反行為をした少年は
正解: 犯罪少年
解説: 窃盗・傷害・強盗など、実際に犯罪を完成させた少年。ぐ犯少年との違いは「実行性」にあります。
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